耳が聞こえにくい(難聴)
耳が聞こえにくくなった場合、「いつ聞こえにくくなったか」が最も大事です。なぜなら、ゆっくり聞こえにくくなる病気と急に聞こえにくくなる病気では治療が大きく異なるからです。
※耳が聞こえにくいことを一般的に「難聴」と言います。
①急に聞こえにくくなった場合
急に聞こえにくくなった場合は特に注意が必要です。「みみあか」や「耳に水が入った」など、すぐに改善する原因もあります。しかし、特に問題になるのは「何らかの原因で内耳や神経が急に痛んだ」場合です。
代表的な病気に「突発性難聴」があります。突発性難聴の原因はいまだに定かではありませんが、今のところ血液循環の悪化やウイルス感染などで内耳や神経が傷んでしまい生じるといわれています。
突発性難聴をきたした場合、最低でも神経が痛みきってしまう2週間以内、可能ならば48時間以内に治療を開始するのが望ましいです。
何も処置や治療を行わないと、聴力はほぼ改善しません。1日経っても耳の詰まり感が改善しない場合や聴力低下の自覚がある場合はなるべく早く耳鼻咽喉科を受診してください。
②徐々に聞こえにくくなった場合
徐々に聞こえにくくなった場合、緊急性があることは少ないです。加齢性(老人性)難聴や先天性疾患、それに慢性疾患が原因となります。
詳しく検査してみないと難聴の原因は明らかにはなりませんが、原因を取り除くことで聴力が改善する場合もあります。また、日常生活で困る水準の難聴の場合、聴力検査の上、適切な補聴器をつければ生活の質はかなり改善します。
聞こえにくくなった原因は様々ですが、必ず原因があります。耳鼻咽喉科ではその原因を明らかにしつつ、可能な限り聴力の改善、生活の質の改善に努めます。