スギ花粉症
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎/結膜炎)は、特定の植物の花粉に対しアレルギー反応を起こす病気です。いま日本人の3人に1人はスギ花粉症といわれています。戦後植林された大量のスギが、花粉を付ける樹齢を迎え、花粉症は各世代で急激に増加しています。
●️花粉症の症状
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ
花粉症の4大症状として、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが知られています。
その他、のどの刺激感、咳、頭痛やだるさが出る方もいます。気管支喘息との合併も多く、One airway one diseaseと呼ばれます。メロンやキウイ、サクランボなど特定の果物や野菜を生で食べたときに口の中がかゆくなったりはれたりする口腔アレルギー症候群(Oral allergy syndrome:OAS)も注目されています。
●️検査
- 採血でのアレルギー検査(抗原特異的IgE抗体測定)
- 皮膚試験
採血では、花粉症やその他アレルギーの原因となる物質を、複数検査できるメリットがあります。花粉症を引き起こす植物は、スギやヒノキが有名ですが、これら以外にもカバノキ科のハンノキ、シラカンバ、イネ科のカモガヤ、オオアワガエリ、キク科のブタクサ、ヨモギほか、60種類以上の植物がアレルギーを引き起こすことが知られています。
●️治療
- 内服薬
- 点鼻薬
- 点眼薬
- 舌下免疫療法
があります。
従来、花粉症に対しては内服薬や点鼻薬、点眼薬などを組み合わせて治療を行っていました。内服薬の代表は、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬などがあり、それぞれ鼻水や鼻づまりを抑えたり、その他のアレルギー症状にも効果があります。昔の抗ヒスタミン薬は眠気の副作用が問題となっていましたが、近年は眠気が少なく効果が高い抗ヒスタミン薬が多数登場しています。
またスギ花粉症に対する新しい治療として、2014年から舌下免疫療法(アレルギー免疫療法)が登場し、アレルギー反応を根治させる唯一の治療として広まってきています。現在、日本国内で一般に行われているスギ花粉症に対する舌下免疫療法には、シダキュアがあります。
●️スギ花粉症に対する舌下免疫療法の流れ
[初診]
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01
スギに対するアレルギーの有無を確認
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02
舌下免疫療法について説明、適応を判断
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03
診察時にシダキュア初回投与
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04
投与後30分間クリニックで経過観察
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05
診察にて副作用の確認、処方(1~2週間分)
[再診]
■診察にて副作用の確認、継続可否を判断、処方(2~4週間分)
●️このような方はご相談ください。
- くしゃみが連続して起こる
- さらさらした鼻水がとまらない
- 目がかゆい、涙が出る
- 鼻がつまって寝苦しい
- 春先に倦怠感、だるい
上記の、スギ花粉症を疑う症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
●スギ花粉症に合併しやすい
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー
- 副鼻腔炎
上記をお持ちの方も、一度、アレルギー検査を受けられることをお勧めします。