気管支喘息
気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的に炎症が起きることで、咳や息苦しさを引き起こす病気です。
●気管支喘息の症状
- 咳(特に夜間や明け方に多く、長引きやすい)
- 痰
- 息苦しさ
- 喘鳴(ヒューヒューゼイゼイという音)
気管支喘息では、特に夜間や明け方に咳が起こりやすいのが特徴です。風邪のあとに毎回咳だけが長引くといった症状で受診される方もいます。
喘息症状を放っておくとさらに悪化し、苦しくて夜横になれない、苦しくて動けないなどの症状へ進展します。最悪の場合、命に関わることもあります。
●喘息症状がおこりやすいとき
- 夜間~早朝にかけて
- 季節の変わり目など、気温差がはげしいとき
- 天気がよくないとき、変わりやすいとき(気圧が低い)
- 風邪をひいたとき
- タバコの煙、線香の煙、強い臭いなど刺激に触れたとき
そのほかに、運動後に喘息が出たり(運動誘発性喘息)、風邪薬などの一部の成分で喘息発作を引き起こすアスピリン喘息という病態もあります。
●検査
- 採血でのアレルギー検査(抗原特異的IgE抗体測定)
- 呼吸機能検査
- 気道過敏性検査
●治療
- 長期管理薬(喘息の炎症を抑え続けて、喘息の悪化や発作を予防)
- 発作治療薬(喘息発作時に対して、症状を和らげる)
気管支喘息では、気道の炎症を抑える薬(抗炎症薬)と気道を広げて呼吸を楽にする薬(気管支拡張薬)を組み合わせて治療を行います。薬の形態は、吸入薬、内服薬、貼り薬、注射薬などさまざまあり、患者さんの年齢や状態に応じて薬を選択します。
また近年、喘息に対する抗体療法としてゾレア、ヌーカラ、ファセンラ、デュピクセントといった新薬も登場し、効果が期待されています。
喘息治療のゴールは、喘息による咳や息苦しさがゼロの状態を長期間維持することです。発作を起こさずいい状態を維持するために長期的な通院が必要です。
●このようなことを心がけましょう
- 規則正しい生活
- 十分な睡眠
- ストレスをためない
- 禁煙
●このような方はご相談ください
- 風邪のあと咳が長引く
- 深夜から明け方に咳が出る
- 温度差のある場所へ移動したときに咳が出る
- 運動のあとに苦しくなる
- 痛み止めなど特定の薬を飲むと苦しくなる(アスピリン喘息)
- 小児喘息やアレルギー疾患の既往、家族歴がある
●気管支喘息に合併しやすく、しばしば発作の原因となる
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- 副鼻腔炎
- アトピー性皮膚炎
をお持ちの方も、ご相談ください。