蕁麻疹(じんましん)
典型例では、痒くて膨れた皮疹(膨疹)が急に出現し、数十分〜24時間以内に消えます。
皮膚だけでなく眼や口唇、喉などが腫れる事もあります。
毎日出ていても病院を受診する時には皮疹が出ていない事もあるので、最近では患者さんがスマートフォンなどで皮疹の写真を撮ってきて診察時に見せてくださる事も増えました。
摩擦など物理的な刺激で起こる機械性蕁麻疹、日光曝露で起こる日光蕁麻疹、発汗や体温上昇で起こるコリン性蕁麻疹、など特殊なタイプの蕁麻疹もあります。
原因
食物アレルギーが原因で起こる病気という印象がありますが、蕁麻疹のうち実際に特定の食物が原因で起こっている割合はそう多くはありません。
蕁麻疹の大半は、詳細な検査を行っても原因を特定できない特発性の蕁麻疹です。
検査
特定の食べ物などに対するアレルギー(Ⅰ型アレルギー、即時型アレルギー)や、膠原病(こうげんびょう)など特殊な疾患の合併症、などが疑われる場合は血液検査を行います。
食物アレルギーが疑われるけれども血液検査でははっきりしない場合、皮膚を使った検査であるプリックテストにより原因が特定できることもあります。
治療
数日程度で治る例、数ヶ月以上にわたって続く例、と経過は様々ですが、いずれにしろ抗ヒスタミン薬を中心とした内服による対症療法が治療の主体となります。
ウィルスや細菌などによる感染症を契機として蕁麻疹を発症していることもあり、安易なステロイドの投与はお勧めできません。
蕁麻疹は、誰にでも突然発症する可能性のあり、痒みが強くお困りの方も多い疾患です。
思い当たる症状がある方は皮膚科を受診して下さい。