声がれ
声がれとは?
風邪を引いた、カラオケで大きな声を出したなど、日常生活で声が枯れることはありませんか?
声がれは、主にのどぼとけ(喉頭)の内側にある声帯の異常によって起こります。両側にある声帯が真ん中でしっかり合わさることにより、高い声、低い声など人それぞれの声を出すことができるのですが、痰がのどに絡んだり、声帯の炎症が起こったりすると、声帯が正常に合わさらず、かすれたような声になります。
一時的な声がれであれば、しばらく声を出さないこと(沈黙療法)で改善することも多いのですが、数日間持続する声がれやのどの痛みを伴う場合はいろいろな病気の可能性があるため注意が必要です。
代表的な病気
●急性喉頭炎(きゅうせいこうとうえん)
細菌感染に伴い、のどの粘膜まで炎症をきたした状態。
●急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)
細菌やウイルスなどの感染により、喉頭蓋と呼ばれるのどの蓋まで炎症を起こした状態。炎症が強い場合、窒息をきたすことがあります。
●後鼻漏(こうびろう)
鼻炎により鼻水が持続的に喉に落ち続ける状態。アレルギー性鼻炎や感冒、副鼻腔炎と合併していることも多いです。
●声帯ポリープ
声をむやみに出しすぎたことにより、炎症を起こした声帯の表面の粘膜が腫瘤を作ってしまう病変。
●声帯結節(せいたいけっせつ)
声帯ポリープと同様にむやみに声を出しすぎたことによって声帯の両側に“ペンだこ”のようなものが生じる病変。
●ポリープ様声帯
詳細な原因は不明ですが、長期の喫煙や胃酸逆流によってのどの慢性炎症が起こり、喉頭の粘膜がむくんでしまっている状態。
●反回神経麻痺(はんかいしんけいまひ)
声帯を動かす神経が何らかの原因で動かなくなってしまっている状態。風邪などよる一時的なものもありますが、下咽頭がんや食道がん、肺がんや甲状腺がんなどの悪性腫瘍や胸部大動脈瘤などの心血管疾患が原因となっているものもあります。
●喉頭がん(こうとうがん)
声帯にできる悪性腫瘍。60歳以上の男性に多く、主に喫煙が原因。早期に発見できれば手術せずに治療することもできますが、進行して見つかった場合、手術で喉頭を取って本来の声を永久に失う可能性もあります。
このほかにも心因性のものや声帯けいれんによるものなどたくさんの原因があります。
家庭でできる予防
- 部屋の湿度を高めに保つ(乾燥を避ける)
- 外出先から帰宅した際や声をたくさん出した後は、うがいをしっかり行う。
- 大きな声を出しすぎないようにする。特に声がれしているときはなるべく声を出さず喉を休める。
- 喫煙/飲酒習慣の見直し