こどもの花粉症
スギ花粉症は年々罹患者が増え、低年齢化もしてきています。子どもは自分で症状をうまく伝えることができないため、周囲の大人の観察が重要になってきます。
花粉症の症状が続くと集中力の低下につながり、遊びや勉強に影響を及ぼしたり、睡眠の妨げになったりします。
子どもの花粉症の発症を見逃さず、いち早い対処をしてあげましょう。
● 原因
花粉症は、花粉というアレルゲンによって引き起こされる、多くの臓器をターゲットにする疾患です。鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎、のどのイガイガ感など、多くの症状がみられます。
花粉の粒子は大きくて細い気管支までは届かないため、直接喘息発作の原因にはなりにくいですが、鼻炎の悪化に伴い喘息発作も起こしやすくなる場合もあります。
● 風邪と花粉症のちがい
子どもは風邪をひくことが多く、花粉症との区別が難しいですね。目ヤニ・鼻水は風邪をひいてももちろん出ます。
花粉シーズンに鼻水が長引いてもすぐに花粉症を考える必要はありません。大雑把に見分ける方法としては目や鼻の「痒み」を伴うかがポイントです。
また、花粉は外に舞っているものです。天気の良い日や、風の強い日に外出をした時に症状が悪化する場合にも花粉症を疑う必要があります。
● 治療
アレルギーとは、アレルゲンに何度か接触することで起こってくる反応です。そのため、花粉症の予防として一番大切なことは日常生活でアレルゲンとなっている花粉に接触しないことです。これは、すでに出ている症状を改善する近道にもなります。
薬物療法としては抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を主体とした内服薬と、症状によっては点眼薬や点鼻薬を併用します。
● ご家庭で気を付けること
一番の治療は花粉を出来るだけ寄せ付けないことです。
- 花粉の飛散情報に注意する
- 花粉が多いときはできるだけ外出を控える
- 花粉が室内に入ってこないように、窓や戸はできるだけ閉める
- 外出時には、マスクや眼鏡・帽子を着用する
- 帰宅時には、衣服を払ってから家に入る
- 空気清浄機を活用する
- 洗濯物は外に干さず、部屋干しにする
- バランスの良い食事を心がけ、栄養と休養をしっかりとる
上記のことは大切なことですが、すべてを一度に実行しようとするのは難しい話です。無理なくできることを気長にしていきましょう。
そして、花粉症が疑われるときは医師に相談してください。