クループ症候群
喉頭はのどから少し入ったところで、呼吸のために空気が出入りする入口にあたります。ここには声帯もあるため、この付近の炎症が強くなるととてもつらい症状になります。お子さんが息苦しそうなときや、咳が止まらないときは早めに対応しなければいけないので、すぐに受診しましょう。
● クループとは
風邪などから始まることが多いですが、声帯や喉頭の炎症が強い状態がクループの発作です。夜間に増悪する傾向がありますが、数日で良くなっていきます。
クループの特徴は、のどがとても痛そうな咳(犬の遠吠えのような咳、オットセイの声のような咳)をすることです。
声がかすれたり、出にくくなったりします。
炎症の程度が強くなると、息を吸いづらくなり、息を吸うときにゼーゼーとした音(吸気性喘鳴)がしてきます。さらに程度が強いと、息が吸えず呼吸が苦しくなり、呼吸困難が強いときには入院して点滴や吸入などの治療が必要となることがあります。
● 治療
喉頭の炎症やむくみを軽減するために、ステロイドの内服が有効で、比較的即効性もあります。内服が困難な場合は、ステロイドの吸入も効果があります。
● ご家庭で気を付けること
- ①なるべく泣かせず、喉頭の安静を保つことが重要です。
- ②室内の加湿:湯気をたてる、加湿器を使う、室内に洗濯物を干すなど、室内の空気を湿らせておくことが大切です。
- ③水分の補給:咳込むときは温かい飲み物を少しずつ何度も飲ませてあげましょう。
- ④食べもの:息苦しさがなくなったら、本人の好きな食べられるものを。
- ⑤なるべく泣かせず、喉頭の安静を保つことが重要です。
● こんな時はもう一度診察を受けましょう
- ①息苦しそうになったとき
- ②強い咳で眠れないとき
- ③水分をあまり摂れないとき
- ④熱が高いとき
※病院から帰った時は症状が軽くなっていても、夜またひどくなる時があります。息が苦しそうなときは、お家で我慢せず受診してください。